近年、動脈硬化性の起因する疾患(脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など)が増加しており頸動脈は動脈硬化の好発部位であることから頸動脈における動脈硬化を評価することは全身の動脈硬化の進行を把握するには有用です。
動脈硬化を予防するには、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病が危険因子であるため、これらの疾患の予防・治療が重要です
当院では、頸動脈エコー検査とABI、CAVI検査の2種検査にて診断が可能です。
ABI(足関節上腕血圧比)検査は、足の動脈の狭窄や閉塞を調べる検査です。上腕と足首の血圧を測定し、比較することで動脈の異常を検出する。比率は、足首収縮期血圧を上腕収縮期血圧で求められるます。ABIは低い値が出た場合、動脈硬化が疑われる。また、CAVIの値と併せて評価することで、血管年齢を測定することも可能です。
自覚症状がないことから「沈黙の殺人者」と呼ばれる動脈硬化症ですが、簡単に発見できる方法があります。それが「CAVI(キャビィ)検査」です。
この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。
結果もすぐに出るので、その場で医師からの診断が受けられます。
この検査では、つぎの3つを測定します。
動脈のかたさを表すのが「CAVI」です。動脈は血液を全身に送るポンプの役目を果たしていますが、ポンプの内側の圧力(血圧)が変化したときのふくらみ具合をみることによって、ポンプのしなやかさ、つまり動脈のかたさがわかるというものです。動脈硬化症が進んでいるほど、「CAVI」の値は高くなり、9.0を超えると約半数が脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化症を発症しているという研究結果もあります。
足の動脈の詰まりを表すのが「ABI(エービーアイ)」です。足首の血圧を横になった状態で測定すると、健康な人では腕の血圧と同じくらい、あるいは少し高い値となります。しかし足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧は低くなります。そのため「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断するというもので、その値が0.9未満であると詰まっている可能性が高く、その値が低いほど重症になります。
また、その症状は「足の痛み」としてあらわれることが多いといわれています。
同じ性別、同年齢の健康な方の「CAVI」平均値と比べることで、「血管年齢」がわかります。「CAVI」が9.0未満であっても「血管年齢」の高い方は動脈硬化症の進行が早いと考えられます。